社員登用制度について
デンソーには社員登用制度という、期間工から正社員に登用される制度があります。
まず実際に数ヶ月デンソーで期間工として働いてみて交替勤務・人間関係・職場の作業を経験します。その上で自分に工場勤務の適性がある、この先20年働いていけそうと思ったら積極的に受けてみればいいです。
デンソー正社員の給料・ボーナスの水準、退職金、福利厚生は大変魅力的です。一生かけて働く価値のある待遇、環境といってよく、毎回の社員登用試験は希望者が多く熾烈な選考争いとなっています。
デンソーの社員登用制度についてできるだけ詳しく説明します。
まず、なりやすい時期とそうでない時期がある
社員登用制度は時期によって、採用枠が広かったり狭かったりします。以下は社員登用者数の推移。
・2007年度 452人
・2008年度 443人
・2009年度 229人
・2010年度 49人
・2011年度 67人
・2012年度 83人
・2013年度 78人
・2014年度 85人
・2015年度 108人
・2016年度 169人
引用:パフォーマンスデータ(社会編) | CSR情報 | DENSO - 株式会社デンソー / Crafting the Core /
具体的に言うと2004~2008年は採用枠が広かったです。俗にいう「いざなみ景気」に当たる時期でデンソーの業績も順調に拡大します。年間数百人の社員登用が行われ、社員に比較的なりやすかったです。数年後には「この時期に社員に登用されてラッキーだった」という声が聞かれるようになります。
逆に2010~2014年は採用枠が狭かったです。いわゆる「リーマンショック」後の大不況のなかで、社員登用どころではありませんでした。この時期は年間数十人の社員登用に限られていました。意欲のある期間工には不遇な時代でした。
現在と今後はどうか?
社員になりやすくなります。
理由として製造業の人手不足が叫ばれて人集めに苦労しているのはデンソーも同じことで、期間工からの優秀な人材の確保は必要です。そして製作所でも少子高齢化が進んでいて、是正のため新卒だけでなく幅広い年齢層の人材を確保する必要があるからです。
2018年度は社員登用予定が380名±αとなっていて、しかもこれからもある程度の採用枠の確保が期待できます。意欲のある優秀な期間工にとってこれからの時期はチャンスです。
社員登用制度はどのようなものか?
社員登用制度は社員登用を強く希望し、継続して技能向上に努める意欲のある者が応募できる制度で、学歴は不問。応募資格はデンソー期間工として6ヶ月以上在籍している者で、3年間就労した場合は最大3回まで受験が可能です。
社員登用試験は上期と下期の年2回行われます。
上期のスケジュール
・2月 履歴書提出
・3月 一次選考
・一次後 二次選考
・5月 最終選考
・7月 社員登用
下期のスケジュール
・8月 履歴書提出
・9月 一次選考
・一次後 二次選考
・11月 最終選考
・1月 社員登用
一次選考は本社での学科試験・適性検査
二次選考は所属部署での面談
最終選考は本社での個人面接
現契約での在籍期間中、過去に最終選考まで進んだことのある方は、以降の登用試験の学科試験・適性検査を免除。(履歴書の提出と所属部署での面談はあり)
現契約での在籍期間中、学科試験・適性検査に合格した方は、以降の登用試験の学科試験・適性検査を免除。(履歴書の提出はあり)
提出書類は2・8月に履歴書
5・11月の最終選考日に卒業証明書、成績証明書
毎年1・7月に最終選考合格者が正社員として登用。
正社員登用者は本社にて登用式と数日間の研修があります。社員登用後の配属先は、原則期間工のとき在籍していた職場となります。
と、このような制度です。
合格するには?
まず自職場にいる直近の社員登用者に詳しく話を聞きます。自職場にいなくても、少し周りを探せば必ずいるはずです。学科試験・面談・面接について具体的に詳しく聞き出し、自分でも対策をしていきます。そして登用試験を受ける。
一次選考の学科試験(SPI)・適性検査については教養を見るためのもので、そこまで厳しいものではありません。対策として直近の社員登用者に必要な参考書、勉強の仕方を教えてもらい、コツコツと訓練をします。
二次選考の所属部署での面談についても、最終選考の個人面接と比べてそこまで厳しいものではありません。自職場の班長と対策を十分に練って望みます。
最終選考の個人面接については、大変厳しく行われます。対策として自職場の課長が模擬面接を行うことがよくあります。とても厳しく行うのですが、それは十分な個人面接の対策となります。
1度登用試験に落ちたからといってあきらめてはいけません。初回の赴任の3年間で登用試験を3回受けて失敗し、次回赴任の4回目で社員になったというのはよくある話です。これくらいの熱意が必要です。
どんな期間工が正社員に登用されるのか?
デンソー期間工からの正社員登用はやさしいものではありません。毎回希望者の多くが落選しています。それではどのような期間工が社員になるのでしょうか。
社員登用に意欲的な期間工の例を挙げると、
・社員登用試験を4~5回受ける
・QCサークルで発表、全社大会や全国大会に出場する
・発明改善提案でダイヤモンド賞を取る
・社内運動会で大活躍する
・社内の飲み会や行事に積極的に参加する
などがあります。
いずれも大変そうに思われますが、強制的とかではなく自発的にやっています。これくらい普通にこなせるくらいでないと、デンソー社員として通用しないでしょう。
もちろん、これらのことをしても必ず登用試験に受かるわけではないし、初回の入社から半年して登用試験を受けた人が普通に受かる例もみられます。
年齢については幅広い年齢層から採用しますが、基本的に若い方が有利となります。メインは20代の前半、そして20代の後半となります。ただ30代の合格者も一定数見られます。
そして毎回の登用試験で数名ですが、30代後半や40代の合格者が出ています。業務経験が豊富で技能に自信のある方、職場の推薦を強く受けた方などは年齢に関係なくチャレンジしてもいいでしょう。
地元期間工と寮生期間工では地元期間工の方がやや有利となっています。また女性期間工からも毎回社員登用者が出ているので、自分に工場勤務の適性があって社員登用を希望するなら遠慮なく登用試験を受ければいいです。
社員登用についてまとめると
私は2010年の秋に初めてデンソーに期間工として赴任したのですが、その時はまさに社員登用氷河期でした。何人もの優秀な期間工が社員登用をあきらめデンソーから去っていったのをよく覚えています。
社員になるための努力を必死でして、社員登用試験を6回受けてすべて落ちる。こういう人もいました。さぞかし無念の思いを抱いて退社していったことだと思われます。本当に大変な時代でした。
あの時から考えると現在は非常に恵まれています。大きな登用枠が用意されていてそれが続いていくのですから。これから社員登用を希望する人は複数年の期間を持って望めば、十分に社員登用の可能性があると言えるでしょう。
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