2018年11月第2週
7年半にも及んだ私の期間工生活も、いよいよ最終日を迎えることとなりました。過去2回のフル満了を経て、今回の最後の赴任から1年半での満了となります。
3つの製作所と4つの製造部、そして3つの寮を経験。それは大変な困難を伴うものでしたが、なんとか無事に完走することができました。
私がこれから次の道に進むにあたっての、「期間工の日記」の最後の記事となります。
最終日
とうとう最終日です。
いつものように朝7時に起きる。トイレに行って顔を洗ってニュースを見て。部屋を出る前に改めて最終日の持ち物を確認してバスに乗ります。
朝礼にて別れの挨拶です。自分自身長くデンソーにお世話になったこと、今の職場でよくしてもらったことに感謝の気持ちを述べ、職場にお菓子を差し入れしました。
最終日も16時までは通常の作業をします。いつも通りの外観検査と機械加工の掛け持ち作業。この掛け持ちは結構大変です。
私の後は誰が入るのか密かに心配していたのですが、自職場から応援に出ていた社員が戻ってきて入るとのこと。一安心です。
15時50分に作業を終了。改めて職場のみんなにお別れの挨拶をし、ついでにフロアを回って知り合いたちに最後の挨拶をしました。
16時より班長と職場を出てまずはロッカーの整理、その後勤労へ行き班長とお別れです。満了の祝い品をいただきました。宝物にします。
勤労での退職手続き、その後事務棟での手続きをへて退職が完了です。期間工経験者ならば誰もが感じるこの爽快感はやはり格別。
30代を期間工として過ごす
無事に終えることができた
あとは残りの人生
楽しまずにいられようか?
いや、いられない!
このあとは荷造りと清掃をして退寮、そのまま東京への引越しとなります。役所関係の手続きもいろいろあって忙しい日々が続きそう。
しばらくの間ブログをお休みします。東京へ行って新生活が落ち着いたらまたブログを再開します。
たった1つのウソ
今回契約更新をしなかった際、班長や周りの社員に「どうして延長をしないんだ?」「これからどうするんだ?」と何度も何度も聞かれました。
前回、前々回と3年フル満了をしているのに今回は1年半で満了です。疑問に思われても仕方がありません。
私は株をやっていること、ブログをやっていること、セミリタイアを考えていることを周りには話していません。普通の真面目なおとなしい期間工であり続けました。
今の職場で金融資産とか期間工ブログとか、東京へ行くとかはとても言えそうにありません。なんとかしてごまかす必要があります。
よって「実家に戻って工場で正社員として働く」とウソをつきました。私がデンソーに来てからついた、最初で最後のたった1つのウソです。
「何かあったら遠慮なく戻ってきなさい」との言葉をいただきます。とてもありがたいのと後ろめたい気持ちでいっぱいです。
1年半の感想
この1年半はとても充実していて働きやすかった。
まず、常昼勤務になったことで「朝起き昼働き夜寝る」という、人間として当たり前のことが当たり前にできるようになりました。
あの交替勤務の肉体的・精神的な苦痛からの6年ぶりの解放です。これからもこの規則正しい生活は続けていきます。
仕事もやりやすかったです。
もちろんデンソー特有の人間関係や作業の不公平など、やりにくいことがたくさんあるのはよ~く知っています。実は赴任してすぐは厄介な職場に来たと思ったものです。
ただ今回は去年の8月に2組から常昼勤務へ変更となった際に、社員と期間工の不満分子が見事に一掃されましたw 今から思うに、これは本当に見事な人選で優秀な精鋭が残されたと思う。
期間工・社員・アインシュテラーで現場はほとんど回っていたし、班長は主に管理業務に徹していました。みんなが働きやすい理想的な職場でした。
最後に班長とこの先の製作所の運営について少し話をしました。
「残念ながら期間工を集めるのに苦労している」「これからは期間工・派遣工・技能正社員を合わせて使うことになる」と言っていました。
私のいた製作所では見かけなかったのですが、すでにいくつかの製作所では期間工・派遣工・技能正社員が併用されていて、今後それが主流になっていくとのことです。
これからは製作所内の景色もまるで変ってくるのでしょう。私などすぐに過去の人間となりそうです。
THANK YOU & GOOD BYE DENSO!
今回の赴任で私が特に注目していたのはデンソー時報の「退職されたみなさん」というコーナーです。このコーナーでは製造部ごとに毎月の退職者が顔写真と名前付きで紹介されています。
7年半で3つの製作所と4つの製造部を経験。私は数多くの社員と接していて「この人はもう退職か」「あの人ももう終わりか」と懐かしい顔を見かけるのがひそかな楽しみでした。
そしていよいよ私の番です。ついに終わりの時が来ました。今回でデンソー期間工は本当に最後となります。もう2度と赴任することはありません。
思えば今から8年前、まったく人生に明るいものが見えなかった私は、デンソー期間工となったことでその人生を大きく変えることができました。
7年半のデンソー期間工生活では、よくネットで言われるような辛かったことや苦しかったことがたくさんありました。ただ、それらをすべて受け入れて消化して満了します。それが私の期間工としての矜持。
「しょせん期間工」「たかが期間工」とよく言われますが、7年半を期間工として過ごしたことは私にとって誇りであるし、大きな自信となっています。これから先も明るく生きていけそう。
7年半をお世話になったデンソーには感謝の言葉しかありません。これから先自動車業界は激動の時代を迎えます。その中でも世界首位級の自動車部品会社として長く繁栄することを切に願ってお別れとします。
ありがとう、そしてさようなら、デンソー!